絵を学ぶ学校に興味あったけど、誰にも話すことはなかった。 冷めた振りをしていたせいで本当に冷めてしまったのか、元々冷めていたのか、自分を信じられなかった。 ひとまず、無難な理系の大学を目指すが、そんなんだからか滑り止めの大学しか受からなかった。

この頃、やりたい仕事はなかった。ただ、普通に世の中に出て、何かして働かないとなぐらいしか思っていなかった。なので、就職活動はかなり苦戦した。 この頃も絵を描くのは楽しかったが、趣味だと思っていたし、絵を仕事にできるのは美術系の学校を出た人だけだと思っていた。

長野県の山奥で座学や体力作り。 からの、謎の3日間の自衛隊体験入隊。申し訳ないが、二度と行きたくない。

建築現場で工事を行う部署に配属される。 いい先輩が一緒についてくれたが、その先輩はほぼ現場には来れず、よく分からないまま現場監督の補佐として幼稚園の建築現場に通う日々。 一応、基礎工事から完成まで見れたのは良かった。徐々に建物が出来上がっていく様を見れたし、あれだけの子供がキャーキャー言って遊ぶ場所をこれだけのおっさんがゴネゴネ言って作るのかと。

一つの現場が終わり、間髪入れず次の現場に行く。予定だったが、続けられない。続けたくない。と思い逃げるように退社。

研修という名目で家電量販店で携帯を売り、休みの日にプログラミングのカリキュラムをこなす日々。 カリキュラムを淡々とこなすのはいいが、家電量販店で携帯を売るのはかなり嫌だった。正直、逃げたかった。けど、逃げなかった。一つ前の会社(施工管理の会社)を辞めた時のようにまた逃げて、また情けない思いはしたくなかった。

やっと研修が終わり、SES(プログラミングができる人をどこかのIT現場に派遣するサービス)で色々なIT現場を回る。 初めのうちは仕事についていくのが大変だった。この会社の悪習で現場に入る為に、その時は嘘の経歴書を持って行かされたので、経験に似合わない仕事ばかりだった。なんとなく基礎は学んでいたので、なんとか誤魔化しながらこなす。 なんかもうデザイナーとは無縁の仕事をしていたが、それに慣れてしまっていた。

仕事には慣れてきたが、日に日に、会社の色々なグレーな所、もはやブラックな所が目立っていき、不信感が募っていった。 そして、もうこれ以上待遇が良くなることはないと上から明言されたことを機に、退社。なんの未練もなかった。

こちらの会社でも主にSES事業に従事。 それだけでなく、社内の案件、後輩の育成、勉強会、ブログのコンテンツ作成などにも携わられてもらった。

やりたいこと、働き方、人生、そんなことを考えていたら、会社を辞めるという決断に至った。 今までの仕事はなんとなく流されてやってきたことで、それをずっと続けて本当に自分がやりたかったことを蔑ろにしている感じが嫌だった。未練は少しあった。